今日の気になる情報をお届けします。 
「焦がしにんにくのマー油と葱油が香る ザ★チャーハン」企画書
「香り+油」で食欲を刺激具材を厳選した、シンプルでガッツリ食べられる
男性的なチャーハン。
イメージは固まった。
では、ガツガツたくさんの量を食べたくなるような美味しさは
どうやったら作り出せるか?
たどりついた答えは、香りや風味だった。
「一番苦労したのは香りを出すことでした。
食べるときに、最初に食欲を促してくれるのは香りです。
ですので、そこにフォーカスしました。そこでたどり着いたのが
にんにく、そしてマー油(ニンニクを入れて加熱したごま油のこと)です。
実はマー油って、元々チャーハンには使わない調味料なのですが
これはとんこつラーメンからヒントを得ました」(田中氏)
ザ★チャーハンでは、口の中での美味しさの広がり方を
先味、中味、後味に分類。
まず先味として、マー油と葱油の香ばしさが食欲を促し
中味では味の素グループが特許技術を持つ「コク味物質」により
味に深みをプラスする。
これはホタテ貝や魚醤などに含まれるアミノ酸の結合体だ。
そして、後味には同じくグループ企業が開発した「脂の美味しさ成分」を
加えることで、思わずもう一口レンゲを動かしてしまうような
引きのある味を実現した。
ごはんと卵を炒め、ネギと焼き豚は後入れこうして、中華料理店で食べるような、強い脂の香りと、濃厚なコクのある
それでいてシンプルな具材のザ★チャーハンができあがった。
このあと、テスト環境から本番環境に移行し、大量生産するなかで
テスト環境で定めた味を再び生み出すための試行錯誤が繰り返される。
「量産用の大きな釜で作ると、どうしても味や香りが変わってきます。
ここで再び配合などを調整していく。どこに問題があるのかを特定しながら
同じ状態にしていきます」(田中氏)
通常、冷凍チャーハンは大きな釜でごはんや具材を炒め
それを冷凍機器に通して、冷凍食品として加工する。
ザ・チャーハンでは、ごはんと調味料、そして卵だけを炒め
葱と焼き豚は炒め終わった後に混ぜ合わせているという。
これも、冷凍チャーハンならではの工夫だという。
というのは、焼き豚を一緒に混ぜて炒めてしまうと、袋詰めしたときに
分量に差が出てしまうから。
また、炒めると、せっかくの存在感のある焼き豚の風味が飛んだり
崩れてしまうという。
「この焼き豚にもかなりこだわっています。ポイントは直火で
焼いていること。そして、隠し味に味噌をプラスすることで甘みや深み
そしてコクをプラスしています。レンジで温めたときに最も美味しく
なるように調整しています」(田中氏)
ガッツリ食べられる600g、パッケージにもインパクトザ★チャーハンは1袋600gと量が多い。
田中氏によると、家庭用の冷凍チャーハンでは450g入りが多かったが
顧客調査によってこの450gという容量への不満があることも分かった。
「実際に外食チェーンなどに足を運んで、出てきたチャーハンの量を
計ってみると、1人分300gぐらいが多かったんです。
お客様からも、450gは家族で分けて食べるには中途半端だと言う
声が多かったので、それならガッツリ食べられる大容量の600g
(2人分)にしようと考えました」(田中氏)
実際に外食でチャーハンを食べる機会が多い男性を
ターゲットとして見据えた結果だ。
今では、他社からも容量600gの冷凍チャーハンが
登場しているという。
さらに男性をターゲットにした、ガツンと食べられるチャーハン
ということで、男性的なインパクトのあるパッケージを採用している。
これも、買う人ではなく実際に食べる人を
念頭に置いて決めたことと言える。
著者も商品を購入し、実際に食べてみた。
10年以上前、独身の頃にはたまに食べていたものの
冷凍チャーハンを食べるのはかなり久しぶりだったのだが
その味、食感の進化には驚かされた。
田中氏の狙いどおり、非常にコクがあり、まさに町の中華屋さんの
美味しいチャーハンといった味。
ガッツリと食べたい空腹時でも食欲を満たしてくれる
チャーハンだった。
前後して、大手ラーメンチェーン店のチャーハンも食べていたが
ザ★チャーハンの方が美味しいと感じた。
認知度アップが課題田中氏は、今後の課題として、さらなる知名度アップを
目指していくと語る。
実際、発売当初はあまり動きがなく、2015年10月より
テレビCMを打ったことで、売上げは一気に伸びたという。
今後は、テレビCM以外でリーチできる層にどのようにアピール
していくかが問われるだろう。
また、冷凍食品の購入場所はほとんどがスーパーマーケットなので
実際に商品を食べる人の目に付きづらい点も課題と言えそうだ。
コンビニなどに置ければ、メインターゲットであるガッツリ食べたい
男性の目にも届くだろうが、コンビニの冷凍食品コーナーは
ほとんどがPB商品で占められている。
味の素冷凍食品では第2弾として、2016年秋に
「豚の肉汁にXO醤と葱脂が香る ザ★シュウマイ(以下、ザ★シュウマイ)」
を発売した。
これも食卓の中央に、メインのおかずとして置ける
ボリューミーなシュウマイだ。
冷凍チャーハンが人気を集めるのは、家庭のチャーハンに不満を持つ
人が多いからではないかと田中氏は分析している。
つまりそれだけ美味しい冷凍チャーハンが
求められているということだ。
実際、ザ★チャーハンを発売したあとも、他の冷凍チャーハンの
売り上げが落ちることはなく、冷凍チャーハン全体の売り上げが
伸びているという。
ガッツリ食べたい男性向けの冷食市場は
まだまだ拡大の余地がありそうだ。
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