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国内でも品質に不信感強まる
中国の加工食品業界が海外企業の買収を加速している。
中国の市場で需給が逼迫していることに加え、卵や牛乳などでも
食品偽装の懸念が浮上し、中国の消費者の間に、中国製品への
不信感が強まっているためだ。
供給不足も要因
調査会社ユーロモニター・インターナショナルの試算によると
中国の加工食品市場は2260億ドル(約25兆円)に上る。
海外ブランドのM&A(企業の合併・買収)に奔走しているのが
国有食糧大手の中糧集団(COFCO)や乳製品大手の
内蒙古伊利実業集団(伊利)、中国食肉大手の万州国際(WHグループ)
などだ。
中国企業による海外ブランド買収は、2008年に有害物質メラミンの
粉ミルク混入で乳幼児らが死亡した事件をきっかけに急増。
ブルームバーグのまとめによれば、中国勢による海外M&Aは09年以降
80件を超え、総額は約120億ドルに達した。
5月には伊利が仏食品大手ダノン傘下の米ストーニーフィールドを
8億5000万ドルで買収する計画を発表したばかりだ。
コンサルティング会社チャイナ・マーケット・リサーチ・グループ
(CMR)のマネジングディレクター、ショーン・レイン氏は
「中国食品業界は(原料調達から製品供給に至る)バリューチェーンの
革新に優れている。消費者の不安を理解し高品質化を目指している」
とみる。
これまでの最高額は、12年に米食肉加工大手スミスフィールド・フーズに
対してWHグループが行った69億5000万ドルの買収だった。
WHグループのディレクターとスミスフィールドの最高経営責任者(CEO)
を兼任するケネス・サリバン氏は
「米国ブランドのおかげでWHグループは中国の高所得層に訴求
できるようになる。中国市場は世界の豚肉消費量の約半分を占める」
と説明した。
同CEOは
「米国の食品安全基準は厳格で、安全性が高いと印象づける
『ハロー効果』も生じる」
と強調する。
海外ブランドのスミスフィールドは中国で
高級ブランドとして認知された。
このため同ブランドの価格設定はWHブランドより
2割以上も高くなっている。
豚肉の1人当たり年間消費量が39.4キログラムに達する中国では
供給不足も追い風になっている。
米国食肉輸出連合会(USMEF)によると、中国や香港向けの
16年の米国産豚肉の総輸出量は前年比61%増の
54万5000トンに拡大した。
中国当局の加工食品規制により、スミスフィールドはソーセージやハム
ベーコンなどの加工食品を米国工場から輸入できない。
このためWHグループは8億元(約129億円)を投じて河南省鄭州市に
食肉加工能力3万トンの工場を開設した。完全操業は来年を予定する。
即席麺に影響
一方、中国の加工食品業界の急拡大による余波も広がっている。
3月には酪農場経営で中国最大手の中国輝山乳業の株価が債権団との
緊急会合後に85%も下落し、香港市場を震撼させた。
取引は現在停止されている。
こうした状況下で、国内の年間即席麺消費量340万トンの
約2分の1を製造する中国の即席麺最大手、康師傅も設備投資を拡大している。
康師傅の業績は現在伸び悩んでいるが、リチャード・チェン最高技術責任者
(CTO)は売り上げの回復の余地はあるとみる。
中国の即席麺の1人当たり年間消費量30個に対し
日本では60個に上る。
チェンCTOは
「最も進化した即席麺技術はここ中国にある。中国市場の可能性は
どこよりも大きいからだ」
と自信を示した。
とはいえ、康師傅には課題もある。
インスタント食品に抵抗感を持つ消費者の存在だ。
同社が運営する中国東部のテーマパークを訪れた主婦の
チェン・フイリンさん(35)は、数週間に1度、疲れて
料理ができない日に子供に即席麺を食べさせている。
「即席麺が子供に良くないとはいわないけど
生鮮食品と同じとは思わない」
と話した。
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