今日の気になる情報をお届けします。

勝久寿院長
自分のストレス状態を知る方法
--6月病は増えているのですか?
勝院長
精神障害の患者数に関する厚生労働省の統計では、月次ベースの
データがありませんので、増えてきたことを数字で実証することはできません。
しかし、当院では6月病の患者さんが増えてきています。
会社を辞めずらくなったことが理由の1つとして考えられます。
ここ2~3年は売り手市場ですが、それまでは景気が悪かったので
就職や転職が大変でした。
「いまの会社にしがみつかなきゃいけない」
「我慢しなきゃいけない」
と思っている人が多かったのでないでしょうか。
もう1つの理由は、「所属感」「仲間意識」といった感覚が職場で
得られにくい時代になったことです。
昔は終身雇用制度によって企業への忠誠心も高く
「同じ釜の飯を食う」いわゆるファミリー企業が多かったわけです。
こうした「所属感」「仲間意識」は精神的な健康を維持する上で
重要な要素になります。
社会が過度な成果主義に変わったことで職場の人間関係も淡白になり
ストレスを溜めやすくなっていることも原因だと思っています。
こうした状況に対して企業(人事)は、チームのメンバーと「仲間意識」を
感じてもらえるように、仕組み作りをしてサポートしていかなくてはいけません。
有効な方法としては「一緒に何かをする」機会をつくること。
サークル活動だったり、運動会、昼食会、飲み会
なども効果的ですね。
重要なのは仕事とは関係のないコミュニケーションを
取る機会を増やすことです。
--自分のストレス状態を知る方法はありますか?
勝院長
「新しいタスクが追加されたとき」
「新しいことを始めなければならなくなったとき」
にイライラしてしまう場合は、既に高ストレス状態にあります。
普通の状態であれば、前向きに捉えられることでも、余裕がなくなって
いるために「オレに仕事を振るな!」「それはあいつの仕事だ!」と
イライラしてしまうわけです。
このほか
「ミスや抜けがないか神経質に確認するようになる」
「仕事のことが心配で早朝や休日に仕事をしたり
遅くまで会社に残るようになる」
人は黄色信号です。
また、高ストレス状態のときは、周囲の発言や行動が肯定的に
捉えられなくなり、自分を責めている、見下している、嫌っている
ように思えてしまうのです。
もし、心当たりがある人はしっかり気分転換をしてください。
前述したように、ストレス状態が続くと
心の糸が切れてしまいますから。
昔から言われていることではありますが、深呼吸や運動、昼食後の仮眠
音楽鑑賞などにはストレスを軽減させる効果がありますので、実践してください。
リーダーの心が折れないためには
--チームをまとめるリーダー層は比較的ストレスを溜めやすい環境にあると
言われていますが、どのように対処すればいいのでしょうか。
勝院長
中間管理職(リーダー層)は部下と上司の板挟みになるので大変です。
また多くの管理職は、相談できる同期や先輩がいた新人だった頃と比べて
社内に相談できる相手も少なくなります。
相談相手やサポートしてくれる人が周りに少ないと、メンタル不全を
起こしやすくなります。
そうした、管理職の人は「捉え方を変える」ことが
重要な対処法になります。
ネガティブな性格(捉え方)の人はメンタル不全に陥りやすい
傾向があるので、そうした人は考え方のクセを変えていき
ストレス耐性を高めていく必要があります。
当病院でも、即時性の高い対策として「捉え方を変える」
ことを推奨しています。
例えば、不本意な異動があったとき。そのことでストレスを
受けないためには
「その異動先で想定していなかったメリットも
得られるかもしれない」
と発想を転換する必要があります。
近年は捉え方を変えるための研修が数多くありますね。
全員が簡単に会得できるというものではありませんが
「捉え方は変えることができる」ということを知っているだけでも
大きな強みになるはずです。
例えば、『嫌われる勇気』などで話題になったアドラー心理学は
まさに「捉え方を変える」ことで不安や劣等感を克服させる学問であり
ストレスを弱める即時的な効果が期待できます。
--それでも捉え方を変えられずに悩んでいる人は
どうすればいいのでしょうか。
勝院長
捉え方をなかなか変えられない人は「気分転換」を
しっかりすることを意識してください。
生活の柱が「仕事一本」になってはいけません。
そうした人は仕事がうまくいかなくなったとき
「自分の人生はダメだ」と心が折れてしまうかもしれませんので。
趣味だったり、家庭だったり、生活の中に仕事以外の柱
(仕事を忘れられる時間)をできるだけ多く作ってください。
もし1つの柱が傷ついて倒れてしまったとしても
他の柱が自分を支えてくれます。
体を休める時間よりも、仕事以外の何かに没頭する時間を
しっかり確保することが、メンタル面では重要になります。
【関連情報】
「いつもの不安」を解消するためのお守りノート
メンタルが強い人がやめた13の習慣
「自分の働き方」に気づく心理学
ちょっとしたストレスを自分ではね返せる子の育て方
最後まで、お読みいただきありがとうございました。次回もよろしくね!

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