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ニュージーランド北島のワイマング火山渓谷にあるロトマハナ湖
ニュージーランドの驚くべき景観
19世紀半ばの測量日誌から、「世界の七不思議」に次ぐ驚くべき
景観があった場所を特定できるだろうか?
ニュージーランドの研究者たちは、できると考えている。
このほど「ニュージーランド王立協会誌」に発表された論文によると
研究者のレックス・バン氏とサシャ・ノルデン氏は、かつてロトマハナ湖の
ほとりにあり、「世界八番目の不思議」とも称された段丘「ピンクテラス」
と「ホワイトテラス」があった場所を特定した。
ピンクテラスとホワイトテラスは、ピンク色や白色の珪華
(温泉から沈殿したシリカ)が堆積してできた階段状の地形(テラス)で
珪華のテラスとしては世界最大のものだったと考えられている。
近くのタラウェラ山が1886年6月10日に噴火すると、ロトマハナ湖は
一時的に火山灰に覆われ、ピンクテラスとホワイトテラスは
泥と岩の下に埋もれてしまった。
それだけでなく、先住民をはじめとする120人の命も奪った。
この噴火の日に何が起きたかを明らかにするため、米国と
ニュージーランドの研究チームは、水中ソナー、測量、写真などを
利用して5年にわたる調査を行った。
彼らが2016年に発表した論文では、ピンクテラスとホワイトテラスは
地震により破壊されたという「避けられない結論」が導かれている。
研究チームを率いたニュージーランドの研究機関GNSサイエンスの
コーネル・ド・ロンド氏は2016年、この結論について英BBC放送から
インタビューされたとき、ニュージーランド人にとって
ピンクテラスとホワイトテラスは
「米国人にとってのグランドキャニオンのようなもの」
であり、再び見つかるのではないかと期待されていたと説明した。
一方、バン氏とノルデン氏は、GNSサイエンスの研究が
「テラスは破壊された」
とする結論に達したのは、130年前の地形情報が誤っていたせいでは
ないかと考えている。
両氏は英ガーディアン紙のインタビューに対して、これまでテラスは
湖の底に沈んでしまったか破壊されてしまったと考えられてきたが
自分たちはそうではないと信じていると語った。
「地図製作の父」の測量日誌を信じて
バン氏らは、1859年に地図製作者フェルディナント・フォン・ホフシュテッターが
ロトマハナ湖を測量した際の日誌を分析し、テラスは現在、ロトマハナ湖の
湖岸の地下10~15メートルの深さに埋もれていると考えている。
彼らは、日誌に記録されていたテラスの方角から、その場所が
現在のロトマハナ湖のどこに位置するかを特定した。
ホフシュテッターの日誌は、タラウェラ山の1886年の噴火の前に
この地域で行われた唯一の包括的な測量だ。
バン氏はガーディアン紙に
「私たちの研究は、ニュージーランドのこの地域で行われた唯一の
測量に基づいています。ホフシュテッターは非常に有能な地図製作者
でしたから、この測量が信頼できるものであることは明らかです」
と語った。
実際、ホフシュテッターは「ニュージーランド地図製作の父」と
呼ばれる人物で、当時は、ニュージーランド政府に雇われて
島の測量を行っていた。
ノルデン氏がニュージーランドのサンデー・スター・タイムズ紙に
説明したところによると、彼は2010年にホフシュテッターの業績に関する
展示の準備をしていたときに、この日誌を発見したという。
ノルデン氏とバン氏は、ド・ロンド氏らがテラスは噴火によって
破壊されたと主張していることについて
「彼らがテラスのほとんどが破壊されたと結論づけたときに
私たちがピンクテラスとホワイトテラスが残存していることを
示す初の証拠を発見したのは皮肉なことです」
と語った。
この場所での将来の発掘調査が認められるかどうかは
先住民の判断に委ねられている。
【関連情報】
世界不思議地図 「THE WONDER MAPS」
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