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40歳過ぎ大手社員5%が精神不調
「御社はブラック企業、それともホワイト企業ですか?」
と人事担当者に聞くと
「日本企業の9割はグレーではないか」
といった回答が多数返ってくる。
大手住宅設備メーカーの人事担当者は
「労働時間も短く報酬も高い、雇用も安定しキャリアを
獲得できるホワイト企業なんてあるのでしょうか。
若いときに多少無理して残業し、いろんな仕事を経験する
下積み時代があるからその後の成長につながり、高い報酬や
キャリアを獲得できるのです」
と指摘する。
同社は大手ホワイトに入る企業だが、担当者は
「超大手企業ほど報酬は高くないが、雇用も安定し、離職率も2%程度。
モデル賃金でも給与は安定的に上がっていくし、入社後にうちより高い
給料の会社よりも時間軸で見れば生涯賃金はよいでしょう」
と言う。
大手ホワイトに共通するのは定期昇給があり、着実に賃金が
上がることを示す標準労働者のモデル賃金があることだ。
私が入手した富士フイルムの大卒総合職30歳の
モデル賃金は約600万円。
35歳で約740万円、40歳の管理職になると約1100万円
50歳約1400万円、55歳約1500万円と右肩上がりの
賃金体系になっている。
同社の30代の社員は
「基本的に年功序列の給与体系です。入社3年目で残業代を含めて
年収500万円程度。役職者になると年収1000万円を超えます。
残業は恒常的にあるが、その分有休は比較的とりやすい。
新規事業に手を出しているが経営は安定し、福利厚生の
手厚いところも魅力ですね」
と語る。
ただし大手ホワイトに入れば楽園というわけではない。
日立製作所グループ企業の元人事担当者は
「管理職となると年収800万~900万円はもらう。
だが給与や雇用が安定しているためにぬるま湯気分にひたり
仕事に対する意欲を失います。そうなると言われた仕事ばかりをやり
能動性に欠けてくるので鬱になりやすい。40歳を超えた
社員の5%ぐらいはメンタル不調者でした」
と語る。
また大手ホワイトの中には雇用は確保されるが、50歳過ぎに
役職定年で給与が下がるケースもあれば、メガバンクのように
50歳前に別会社に転籍させられるケースもある。
「転籍でも本体の課長なら子会社の部長に異動し、当初の給与は
維持されるが、その後は本体にいたときよりも下がります。
転籍を打診された日立グループの課長から
『2カ月後に娘の結婚式があるので、それまで待ってくれ』
と懇願されたこともあります。本体の課長という肩書のままで
結婚式を迎えたかったそうです」
(元人事担当者)
ゲーム事業を手がけるスクウェア・エニックス元人事担当者は
在籍当時の状況をこう語る。
「能力・スキルの度合いで給与が上がっていく仕組みはありますが
何歳でいくらというモデル賃金はありません。同じ仕事をやっていると
ずっと給与は変わらない。入社後数年で格差が開いてくるし
30歳で年収1000万円をはるかに超える社員もいれば
ゲームの動作を確認する『テスター』業務を手がける社員は
年収130万円である場合もある。40歳で年収4000万~5000万円を
もらっている社員もごく一部いるが、年収300万円程度の
社員も少なくない。社員同士もお互いの給与を把握していなかった」
この証言に対しスクウェア・エニックスの経営企画部広報に
事実確認を求めたところ
「当社の人事・報酬制度は、明確なルールとプロセスに基づく
能力評価・業務評価を基本としており、年齢は
評価要素に含まれておりません」
「個別のご質問への回答は差し控えさせていただきますが
相当程度の事実誤認が含まれております」
と回答があった。
「ゲームの発想が生まれたらすぐに仕事にとりかかり
24時間ぶっ通しで働く人もいます。ゲームを作ることが
好きなので公私の区別がなく、彼らにとっては負担にもなりません。
会社よりも仕事への執着が強く、いつでも外に飛び出すし
毎年の離職率も非常に高かった」
(スクウェア・エニックス元人事担当者)
離職者は低賃金の社員のほか、高額の給与を
もらっている社員も含まれる。
次回に続きます。
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